失火責任法(失火の責任に関する法律)
失火ノ責任ニ関スル法律
(明治三十二年法律第四十号)
(明治三十二年三月八日法律第四十号)
民法第七百九条 ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
失火責任法はこの1文だけです。重過失の場合を除き、失火は民法第709条の規定を適用しない、とあります。ちなみに民法第709条は次のとおり。
民法
第709条(不法行為の要件と効果)
故意又は過失に因りて他人の権利を侵害したる者は之に因りて生したる損害を賠償する責に任す。
つまり、失火責任法により「不法行為に基づく損害賠償責任」は免れるということです。
しかし、免れるのはこの709条だけで、債務不履行に基づく損害賠償責任(第415条)まではノータッチ。賃貸物件の場合の大家さんへの賠償責任は「元に戻して返すことができない」という債務不履行に基づくものだから、失火責任法の適用は及びません。 |