【検証】「クレジットカードのショッピング枠を現金化」を様々な角度から分析してみた

クレジットカードのショッピング枠を現金化のシステムを、様々な角度から検証してみました。

検証1 利息を計算してみよう

現金化業者は「キャッシングよりお得」、「消費者金融で借りるより安い」などを謳い文句にしています。果たして、それは真実なのでしょうか。実際に計算してみましょう。

  • ショッピング枠 100万円
  • キャッシュバック率 9割(90%)
  • カードの引き落とし日 2ヶ月先(商品代金を支払う日)

というケースを考えてみます。

100万円の枠を使い、90万円のキャッシュバックを得る。これだけだと「利息は10%?」に見えます。消費者金融の利息が大体20%弱ですから、こっちの方が安く見えます。

しかし、問題は「年利が何%か」です。

クレジットの支払日が2ヶ月先であれば、上のケースは

  • 90万円借りて
  • 支払期限が2ヶ月先で
  • 100万円にして返さなければならない

ということです。2ヶ月で90万が100万になるから、この期間の利息は約11.1%。2ヶ月で11%ということは、12ヶ月にすると66%。つまり、年利66%で借りているのと同じことになります。

仮にキャッシュバック率が95%でも、年利は31%になる計算です。

カードの支払が分割だった場合、現金化利用分の利息は低くなりますが、同時にカード会社の利息が発生します。通常、カード会社の利息は10~15%ありますから、分割払いにしたところでトータルの利息がこれを下回ることはありません。

なお、これは直接お金を借りているわけではなく、あくまで商品購入代のキャッシュバックなので、利息制限法や出資法には抵触しません。しかし、業者の謳い文句にあるような”オイシイ話”ではないことは確かです。

引き落とし日を2ヶ月先に設定してあるのは、一般にクレジットの利用代金が、利用月の翌月末頃に引き落としされることを踏まえ、最も利息の低いケース(現金化に最も有利な状況)で計算するためです。実際には、キャッシュバックの日から引き落とし日まではもう少し短いので、上記の計算以上の%になります。

つまり、利息の面で考えると、どんなに低くても30%を超えるので、ショッピング枠の現金化は利息が超高くて損です。

検証2 現金化は合法か否か

結論から言ってしまうと、存在自体は法に触れていないため、合法と言えます。

現金化の一連の流れは、

  1. 利用者(カード所有者)は、現金化業者からカードで商品を買う
  2. 現金化業者は、利用者に対してキャッシュバックを行う
  3. 利用者は、商品の購入代金をカード会社に支払う

こんな感じです。

キャッシュバックのように購入者に対して何らかの特典を与えて誘引することは、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)で規制されています。現金化業者のキャッシュバックサービスは「もれなく懸賞型」に該当し、「景品の最高額は取引価額の10%以下」とされています。しかし、キャッシュバックは景品に該当せず「例外」とされているため、この10%の規制に引っかかりません。

ちなみに、キャッシュバックの他には、ポイントバックや割引券での還元、見本品、開店記念品なども例外とされています。

つまり、現金化サービスは「大手家電量販店のポイント還元と同類」という見方ができてしまうのです。慣れ親しんだポイント還元と同類であれば、この現金化も特に問題は無いように感じてしまいます。

しかし、通常の買い物と現金化では決定的に違うことが一つあります。それは、その商品自体に取引額相応の価値があるか否か、ということです。

現金化業者が取り扱っている商品の価値は数百円、よくて数千円程度しかありません。現金化業者は90%近くをキャッシュバックで還元するのですから至極当然のことではありますが「実際には数百円・数千円くらいの価値しかない物を、何十万円も出してカードで買う」ことになります。

そのため、現金化には公序良俗違反やカード会社への詐欺行為(現金を騙し取る)等、法に反する行為に繋がる可能性が十分にあります。

つまり、「合法だから全く問題がない」という訳ではないのです。その合法は表向きなもので、やっている内容が法に反していれば、結局はNGなのです。

検証3 97%以上のキャッシュバックはありえない

現金化業者は、高い還元率(=キャッシュバック率)をセールスポイントにしています。しかし、高い還元率にも上限があります。97%を超えることは、まずできません。クレジットカードを使う以上、できないのです。

こう言い切るのにはちゃんとした理由があります。

クレジットカードで1万円の物を買う場合、現金でもカードでも、消費者が支払う額(決済額)は同じです。金額にもよるでしょうけど、「カードの方がポイントが付いてお得だからカードを優先する」という方も多いですね。

しかし店側からすると、現金で支払ってもらった方が実入りは多いのです。

ここに、現金化を考える上での一つのポイントがあります。

クレジットカードの加盟店(お店)は、お客さんにクレジットカードを利用して買い物してもらった場合、加盟店はカード会社に対し、利用金額の約5%を支払うことになっています。

これはカード手数料や加盟店手数料と呼ばれるもので、カード会社の利益となるものです。この手数料は業者により異なりますが、通常は5%前後です。

例えば、手数料が5%のお店では、カードで1万円の買い物をした場合、500円はカード会社に手数料として取られ、残りの9,500円がお店に入ることになります。つまり、手数料が5%の業者(カード加盟店)は、95%がキャッシュバックの限界です。それ以上すると赤字になるのですから、商売になりません。

この手数料はカード会社との契約によって高い安いがあるのですが、手数料は安くて3%ということを考えると、97%以上のキャッシュバックを掲げることには無理があるのです。

ポイント還元と同様に「高キャッシュバック率=優良・お得」と思ってしまうかもしれませんが、そもそも実現不可能な数字を表示している可能性があります。

中にはカード手数料が1%台の業者もありますが、そこは使えるカードが限定(JCB・VISA不可)だったりするので、現実的ではありません。

検証4 買取屋という手口

現金化業者とは異なるのですが、参考までにこのような手口があることは頭に入れておいた方がよいでしょう。

買取屋と言っても、いわゆるリサイクルショップや質屋のことではなく、多重債務者を相手にした手口のことです。

買取屋の手口

金を借りに来た多重債務者にクレジットカードで買い物をさせ、その商品を定価の3~5割程の金額で買い取る。

クレジットカードのショッピング枠の何割かの現金を手にすることができるが、後で支払うことになるので、手元には借金だけが残る。

買取屋はそこから更に、その商品を転売して利益を得ることも。転売しやすいよう、カードで買わされる商品はブランド品が多い。

現金化業者の中には、この買取屋のような形態を取る業者もいます。

その場合の流れは

  1. 利用者(カード所有者)は、現金化業者からカードで商品を買う
  2. 利用者は、送られてきた商品を一旦受け取り、すぐに返品する(買い取ってもらうため)
  3. 現金化業者は、商品の返品を確認し、キャッシュバックを行う
  4. 利用者は、商品の購入代金をカード会社に支払う

こうなります。

買取をしないパターンに比べ、一手順増えただけのように見えます。しかし、ここに大きな落とし穴が潜んでいる可能性があるのです。

例えば、

  • 90%のキャッシュバックを謳っている
  • 実際には「90%で商品を買い取る」仕組み

という業者がいたとします。

そこに申し込んでみたら・・・

90%現金化できると書いてあったので、その業者からキャッシュバック(買取)目的で商品を買い、商品を返品しました。

その後、90%が現金で返ってくると思っていたら、振り込まれたのはたったの50%だけでした。

業者に問い合わせると「商品に傷が付いていたから50%だ」等、難癖を付けて払ってくれません。そのうち音信普通になってしまいました。

困ったと思いカード会社に苦情を伝えると、逆に換金目的で購入したことを追求され、支払いを迫られてしまいました。

このようなトラブルがあります。「残りは後で払う」、「文句を言うならこれ以上は支払えない」と言ってくる業者もいます。これは買取屋の手口に近いものです。

そもそも、クレジットカード会社の会員規約には、カード会社への支払いが完済するまでの間、その商品の所有権はカード会社にあると定められているものが大半ですから、カードの支払いが完了していないのにそれを売って換金することは「他人の物を勝手に売る」という行為となります。

このような行為をしてしまうと、カード会社から即座に支払いを求められる可能性があります。(カード会社の会員規約によります。)

検証5 カード会社の会員規約に反する

会員規約とは、カード会社とカードを利用する人との間の約束事です。この会員規約には、クレジットカードを換金目的で利用しないことが定められています。

実は、これが一番大きな問題点。

換金目的で利用すると、カードが利用できなくなったり、カードを取り上げられたり、ということに繋がります。そもそも、クレジットカードの「クレジット」は信用という意味です。ショッピング枠の現金化は、その信用を裏切るような利用方法でもあるのです。

三井住友カードの会員規約より抜粋
(個人会員用)

第15条(カード利用の一時停止)
2.当社は、会員が利用枠を超えた利用をした場合またはしようとした場合、利用枠以内であっても短時間に換金性商品を連続して購入する等カードの利用状況が不審な場合、若しくは延滞が発生する等の利用代金の支払状況等の事情によっては、カードショッピング、キャッシングリボ及び海外キャッシュサービスの全部またはいずれかの利用を一時的にお断りすることがあります。

第23条(会員資格の取消)
1.当社は、会員が次のいずれかに該当した場合、その他当社において会員として不適格と認めた場合は、通知・催告等をせずに会員資格を取消すことができるものとします。
(4)換金を目的とした商品購入の疑い等、会員のカードの利用状況が不適当若しくは不審があると当社が判断した場合

規約に違反したくらいで・・・と思われるかもしれませんが、これはかなり危険なんです。

現金化を利用した

→2、3日後にカード会社から電話がかかる

→「現金化を利用しましたね、換金目的での利用は禁止されています。会員資格を剥奪します。」

→「代金は全額一括ですぐにお支払ください。」

と、クレジットカードを取り上げられるだけでなく、すぐに一括で支払いを迫られるというリスクが出てきます。洒落になりません。

検証まとめ クレジットカードのショッピング枠を現金化、それは・・・

「クレジットカードのショッピング枠を現金化」を使うと、一時的に現金を手にすることができます。

しかしその際、消費者金融と同程度の利息(20%台)となるためには、キャッシュバック率が96%以上でなければならず、謳い文句にあるような「消費者金融よりお得」なケースはかなり少ないと言えます。

カード会社と加盟店との契約上、売上の3%はカード会社に取られるということを考えると、97%のキャッシュバックを実現することはナンセンスです。現金化業者は広告を出して営業している以上、その費用は回収しないといけませんし、当然儲けも出さないといけません。この辺に矛盾を感じます。「申し込んでみたが、書いてあった%(還元率)よりも全然少ない額しか支払われなかった」というケースは多いのではないかと推測されます。

また、換金目的でのクレジットカードの利用はカード会社の会員規約に反することから、会員資格の剥奪や即時弁済を迫られる等、予想もしないような不利益を招いてしまう可能性があります。ここが一番重要なポイントですが、残念ながら一般にはあまり知られていないようです。

JCCA 日本クレジットカード協会のサイトには、このようなことが書かれています。

最近、「クレジットカードのショッピング枠を現金化」等とうたった広告が、新聞、雑誌、看板、インターネット等で多く見受けられ、決済にクレジットカードが利用されていることがあります。

このような取引行為は換|金目的であり、会員規約に抵触することから、カード業界ではこれらの利用を禁止しています。

もしこのような取引行為をされますと、退会の手続きをとらせていただくこともあります。

また、会員の方ご自身が思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もありますので、決して利用しないでください。

ここまで警告されているのですから、安易に利用するようなものではないと思われます。

かなりハイリスクですよ。

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